座禅の修業をしていたある人の話です。
「座禅中に、後ろから板で叩かれると
『どうして叩かれたのかな?』
と思うんです。
身体が揺れたのかな、とか。
ところが、何度も叩かれているうちに
だんだん理由が思いつかなくなるんです。
すると不思議なことに、昔のことまで思い出すんです。
『高校のときあの友達に意地悪したから、いま叩かれたんだ』とか
『小学校のあの時ウソついたからだな』とか。
そうやって、
今うけている仕打ちを合理化しようとするんです。」
実はここに、脳の使い方のヒントがあります。
ある現象が起きたとき、脳は勝手に
それが起こった理由を見つけ出そうとするのです。
理由をつけずにはいられないのが脳なのです。
この脳の働きは、運を良くするためにも応用できます。
今日あなたが会う人に「ありがとう」と言うのです。
その人に全然ありがとうと思っていなくてもOK。
むしろそのほうが、効果てきめんです。
声に出して『ありがとう』と言うことで脳はフル回転をはじめます。
「なんでアイツにありがとうなんだ?」と。
その理由を探し出そうとします。
そして意味もなくありがとう、と言っているうちに
その人の良いところ、感謝すべきところを
脳は勝手に探し出してしまうのです。
だから、ありがとうを口グセにすれば
人の良いところや、幸せにフォーカスするようになり、
感謝の意識が強くなります。
周囲の人から、あなたへの反応がステキに変わってきます。